
本日カウンセリングに来てくれたクライアントさんが、実践してとても効果があった話を教えてくれました。
彼女は、自分でも言ってたけど、完璧主義で負けず嫌い。
それもあってか、現状に不満を抱えやすく、常にまだ何か足りないと感じていました。
その足りない何かを埋めるために、思考が未来へ向きやすく、今の体感がぽっかりと空いている感じ。
未来で何かを獲得できれば、この不足感からくる不安を埋められるんじゃないかと考えて、必死に何かを獲得しようと頑張ってしまう。
でも、そういう考え方で頑張れば頑張るほど、未来への確実性を求めてしまい、
でも、未来を約束することは誰にもできないから、またそこで不安になる。
と言った感じで不満と不安がグルグル渦を巻いている状態でした。
お話を聞いていると、問題はその考え方だけで、実際の行動を聞いていると、
自分でできることもやらないで現状を嘆いているわけではなく、自分でできることはちゃんとやっている。勉強もキャリアも側からみたら脱帽レベル。
だから、私がアドバイスしたのは、
まず「今の私はよく頑張っている。大丈夫。私は素晴らしい。」って自分に言い聞かせて、自分で自分を認めてあげること。
もう一つ、未来のことは今思い悩んでも解決できないから、それはまたその時が来たら考えよう。とお伝えしました。
それから1ヶ月後の今日。
またそのクライアントさんとのセッションがありました。
そこで、彼女はこういう報告してくれました。
「私は大丈夫。最高。って言っても、どうしても、しっくりこないから、
『仕方ない』『しょうがない』って言うようにしたんです。
そうしたら、すごくうまくいくようになりました。」
それを聞いて「なるほど!」と思ったんです。
完璧主義の人にとって、今の状態にOKを出すことは難しい。
本心では完璧がいいのに、完璧にまだ到達できてない自分に、「最高」と言い聞かせることは、認知的不協和が起きて居心地が悪い。
認知的不協和という、自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えると、人間は一方の要素を変化させることによってその二つのバランスを取ろうとするわけです。
そこで、彼女の脳みそがとった調和させる方法は、
本心では完璧がいいのに、完璧にまだ到達できてない自分は『仕方ない』『しょうがない』と考えること。
以前までは、
完璧な状態に到達できてない自分は「ダメだ」→今を否定して、やみくもに思考が未来に向いて不安を抱えていた。
それが、
完璧にまだ到達できない自分は『仕方ない』『しょうがない』と思うことで→一旦現状・現実の自分を受け入れることができるようになった。
「仕方ない」「しょうがない」は一見、問題を放棄するような思考停止のネガティブな考え方に見えますが、
自らちゃんと行動している人にとってその言葉は、現状をありのまま受け入れる言葉になるんですね。
私がアドバイスした、自分にOKを出すことの目的も、現状をありのまま受け入れるため。
それを、このクライアントさんは、自分なりにしっくりくる言葉を、自分で探り当てて、
現状の自分を受け入れるという目的を達成したのが素晴らしいなと感激しました。
そこにますます、彼女の賢さや魂の強さを感じました。
そして、彼女が語ってくれたのは、
「『仕方ない』『しょうがない』と思うことで、すごく気持ちが落ち着いて、
そうすると、じゃ、どうしようか、今、自分に何ができるか?を焦りからではなく、冷静に考えられるようになった。
そして今を生きている感じが掴めるようになった。」
現状を受け入れる→今にフォーカスできる→主体的な行動を始める→今を生きる。
この流れを、彼女なりに体験したことがよくわかりました。
また、本当に、この流れを自分の中で体験できると、
人間は自分なりの生きる道が見えてきて、誰かから答えをもらうのではなく、自分の力で、不安の闇の中をさまよっている感じから脱出できるんだ、ということを実感させてもらいました。
完璧主義の人は、「私は最高!」ではなく、
こんなもんで『仕方ない』『しょうがない』と考えてみるのもありみたいです!
以上、カウンセリングの現場からお伝えしました笑
それでは、会うたびに美しく!
追記:
イギリスの哲学者バーランド・ラッセルは『幸福論』の中で、
幸福に必要な要素として、「努力とあきらめ」を挙げています。
自分の人生それ自体や大きな目的のあきらめ、ではなく、
それを構成する部分の「努力とあきらめ」のバランスが幸福の一要素であると言ってます。
また、大きな目的をあきらめるとしても、その目的が他人を幸福にするもので、
その目的が他人に引き継がれるものであれば、それは挫折ではないと。
関西弁で「しゃあないやん」
ポジティブなあきらめにぴったりの表現。
完璧主義の人は、「しゃあないやん」使えそうですね!
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